高校三年の冬、私は志望校に合格することができた。
それから卒業までは、本当に一瞬であっという間に大学生になった。
大学生になったら授業を自分で組み合わせないといけないし、バイトも始めたから最初のうちは慣れなくて忙しかった。
ただその間にもやっぱり颯汰のことを忘れた日なんてない。
あれからたまに連絡をするけど、電話は繋がるしメッセージも送れる。
ただ、颯汰が電話に出ることはないしメッセージも読まれることはなかった。
颯汰は今、何してるの?
どこにいるの?
その思いが募り、正直泣いてしまう日もあった。
颯汰は実は存在してなかったんじゃないかって、錯覚に陥ってしまう日もあった。
だけどちゃんと残ってる。
花火の日、みんなと写真を撮ってセンターに写っている颯汰と私の姿が。
後日、沙良ちゃんに送ってもらった、颯汰が私の肩に手を回しているツーショットの写真が。
颯汰の存在を肯定していた。