たとえ君がいなくなっても私は忘れない





切れ長の綺麗な二重の目を細めて笑う彼は、大人びた顔が一気に幼くなる。



そんな彼に、多くの人がやってきそうだな。



友達とか多そうだし。



私、この人多分苦手。
何不自由なく生きてそうで。



偏見なのはわかってるけど。



「ここが五組かー。
なんか入るの緊張する。」



そう言葉では言ってるけど全く緊張してるようには見えない。



「大丈夫、みんないい人たちだから。」



多分、ね。
上辺はみんないい人たちが多い。



なんで私はこんなひねくれた考え方しかできないのだろう。



「まあ、俺もそう思うかな。
まず君がいい人だし。」



なのに彼は……




こんな私を、“いい人”だと言ったんだ。