ーーーざわざわと騒がしい教室。
だけどそれはいつもとは違う騒がしさで
みんなの表情には驚きと困惑、悲しみが浮かんでいた。
その中の半数以上が私の方を向く。
理由はただ一つ。
担任の口から、『桐原は転校した』と話されたからだ。
時間にしてみればたったの半年。
だけどその半年だけで、颯汰はクラス全員の心を掴んでいたようなものだ。
優しくて、明るくて、温かい。
そんな颯汰にみんな惹かれたのだ。
「優梨ちゃん……」
沙良ちゃんと静ちゃんが朝のホームルームが終わるなり私の元へとやってきた。
心配してくれてるんだ。