自分の部屋に入る。
途端に我慢してた涙が目から溢れてきた。
颯汰と別れた時も泣かなかった。
もしかしたら心のどこかで、またすぐ会えるなんて思っていたのかもしれない。
一瞬で現実に引き戻された感覚に陥る。
もう、颯汰はいないのだという事実が目の前にあった。
何を夢みてたんだ私は。
颯汰はもう、いなくなってしまった。
消えた、という意味はわからなかったけど
とにかくもういないのだ。
颯汰が、いない。
そんなの考えられない。
今になってそう思ってしてしまう自分がいた。
颯汰……今どこにいるの?
ダメだ、そんなこと考えたって答えは出ないのに。
『優梨は優梨らしくいてほしい』って、颯汰に言われたじゃないか。
今の私は強くなったんだ。
現実と向き合わなくちゃいけない。
颯汰もきっと、どこかで頑張っているはずだから………
だけど涙は止まってくれなくて
まだもう少し、立ち直るまで時間が必要なようだった。