たとえ君がいなくなっても私は忘れない





颯汰は私の駅に着くなり、送りたいと言って一緒に降りた。



辺りはもう真っ暗。



街灯の光だけが私たちを照らす。



そんな中、颯汰が私の手を握った。
しかも今までと違って恋人つなぎ。



颯汰を見るけど、向こうは私を見てなくて前を向いている。



これは、どういう意味だろう。



期待していいの?
もしかしたら私と同じ気持ちかもしれないって。



期待しちゃうよ?
こんなことされたら。



私も颯汰の手を握り返す。
伝わればいいなって。



お互い何も話さない。
静かな道を二人で歩く。



夏の暑い時期だけど、夜だからいつもより涼しい。



その中でお互いつながった手は熱を帯びている。