たとえ君がいなくなっても私は忘れない






「みんなとやればいいのに……」
「今は二人でやりたい気分なんだよ。」



「何それ。」



なんて笑ってみせるけど、ドキドキと心臓の音がうるさいのは事実で。



「ほら、やるぞ。」



そう言って颯汰は火を線香花火につける。



途端に光り始める線香花火は小さく音を立てた。



静かな沈黙が流れる。
だけど心地いい。



線香花火の音と、遠くで聞こえるクラスのみんなの笑い声。



「綺麗だね。」



普通の花火もいいけれど、線香花火もいいな。
心が落ち着くんだ。



「………優梨。」



私の言葉に対し、颯汰は何も返さず代わりに私の名前を呼んだ。



「なに?」



静かな颯汰は違和感しかない。