たとえ君がいなくなっても私は忘れない





「せっかくだし一緒に行こう!
こうして君と話したのも何かの縁だし。」



「はい?」



彼は何を言ってるんだろう。
初対面の人に普通そういうことが言える?



ううん、私なら言えない。



だけど彼はにこにこ笑ったまま、断る前に私の隣にやってきた。



きっとこれが彼なのだろう。



一目見ただけでわかる。



彼が“みんなと仲良くしたい”という調子のいい人間だってこと。



「君、何組?」



彼は私を気にせず話しかけてくる。
だからもう諦めることにした。



「五組だよ。」



あえて彼が何組なのか、名前はなんなのか、どこの高校から来たのかなんて聞かない。



言葉のキャッチボールを私で途切れさせることで会話を終わらせる作戦だ。