たとえ君がいなくなっても私は忘れない





さっきよりもドキドキが増して



きっと颯汰にバレてる。
私の気持ちも颯汰にバレてるかもしれない。



颯汰は鋭いから。



もしバレてたとして、こんなことするってことは颯汰はどんな気持ちなのかな?




「………俺、さ。」




ぽつりと颯汰が呟いた。
小さな声。



私をじっと見つめる颯汰の目は、切なげに揺れていた。



「優梨が前向きに頑張ってるのを見ると、俺も頑張れる気がするんだ。」



真剣な瞳、悲しい表情。
それとは裏腹に前向きな言葉。



「だからこれからも、優梨は優梨らしくそのままでいてほしい。」



きっと、これを颯汰は私に伝えたかったんだ。



颯汰が離れる。
上昇した体温がゆっくりと冷めていく気がした。



ずっと、私らしく。



「じゃあ私らしくいたら、颯汰も頑張れる?」



私の言葉に、颯汰は切なげに笑った。



「うん、頑張れる。」



私らしくいるから、そんな私を一番近くで見ててよ。



隣にいてよ。



喉まで出かけた言葉を、急いで呑み込む。
これを言ったらなんだかダメな気がして………




私は立ち上がる。
そして鞄を持って、颯汰に笑いかけた。




「帰ろっか。」




颯汰の言った“三ヶ月”まで、あと少し………。