「どれどれ。」
颯汰はそう言って近づいてきて、私の座る机に手を置き窓の外を覗いた。
少し姿勢を低くしたため、いつもより距離が近い。
「本当だ、青いな。
綺麗なもん見れた。」
空の風景と同じぐらい、いやそれ以上の綺麗な横顔が私の目の前にある。
澄んでいるその表情の中に、颯汰は何を隠しているのだろう。
知りたい、踏み込みたい。
だけど本人が話したくないと思っているのなら、何も言えない、聞けない。
じっと颯汰を見つめていたら、突然私の方を向いた。
時が、止まったように感じられた。
その近い距離に、ドキドキと鼓動が速くなる。
顔があつくなる。
私を見つめる颯汰から、目が離せそうにない。
そんな私の頬に、颯汰の手が触れた。
その時の颯汰は男の顔をしていて、初めて見た。
どうするべきだろう。
手を払うべき?
ううん、そんなことできない。



