「そうだよ、三年はこっちの校舎。」 私もそんな彼ににっこりと作り笑いを浮かべた後、また前を向いて校舎へ向かおうとする。 笑顔は得意だ。 自然に笑う作り笑いは。 そのおかげでクラスに馴染んでるように見えるし、友達とも打ち解けてるように見える。 「あ、待って……!」 「………まだなにか?」 私をまた呼び止める彼。 今度は何? 一瞬顔をしかめかけたけど、急いで笑顔をとり繕う。