「夏休みさ、勉強もあるけど一回くらいクラスの奴らで集まるっていうのはどう?
息抜きってことで。」
私の心はズシリと重いのに、颯汰は相変わらず明るい笑顔を浮かべていた。
それに少し安心する自分もいて、
結局あの言葉は夢だったんだと思ってしまう。
「みんないけるかな。」
「いける奴らで、そうだな……花火しよう!」
「花火?」
「花火!絶対楽しいって。」
花火かぁ。
確かにあまりしたことないかも。
「じゃあ俺が言うわ。
もちろん優梨は強制参加な?」
「何それ、ドタキャンするかもよ?」
「俺が優梨の家まで行く!」
颯汰なら本当にしかねない。
って言っても断るわけないけど。
だって今、学校が本当に楽しいと思えてるから。
沙良ちゃんと静ちゃんもいい人だし、他のみんなだっていい人ばかり。
それを高三で気づく私はバカだと思ったけど、気づかないままでいるよりはずっとマシだ。
上辺だけでいいと思っていた友達関係。
今じゃそうは思わない。
本音を言い合って笑い合う。
それが本当に楽しい。