「どうしたの?」
そのトーンはどこか落ち着いていて、私は素直に振り向いた。
「信じられないって思うかもしれないこと、言っていい?」
「……はい?」
言っている意味がわからなくて戸惑う私。
信じられないって思うかもしれないこと、とは?
つまり信じられないだろうけど本当の話ってこと、だよね?
「突然どうしたの?」
今度は私から颯汰に聞いてみる。
そしたら颯汰は私をじっと見つめてきた。
だけどその顔に笑顔はなく、見ている私まで泣きそうになるほど切ない表情だった。
彼の口が開くのを待つ。
そして少しの間があいたあと、確かにこう言ったんだ。



