今だって話してるけど、どこか遠くを見つめてる。
私は颯汰に話を聞いてもらってるけど、颯汰の話はほとんど聞いたことがない。
私は颯汰の何を知ってるんだろう。
でも本人が話したくないなら仕方ないよね。
それから今まであまりなかった沈黙が流れる。
気まずい……。
今までにも沈黙があったけど、一度も気まずいと思ったことないのに。
それからしばらく歩いていると私の家が見えてきた。
いつもの帰り道が、今日はやたらと長く感じた。
「あ、もうここでいいよ。
家すぐそこだし。
勉強教えてくれた上に送ってくれてありがとう!」
それだけ言って、私は颯汰の返事を聞かずに行こうとしたその時……
「あのさ。」
颯汰が私を呼び止めるようにして口を開いた。



