たとえ君がいなくなっても私は忘れない





ーーー「じゃあ俺、優梨送るから待ってて。」



「はーい。」



あれから少ししてから起きたお姉さんは、暇だったようで勉強を教えてもらった。



颯汰もだけど、お姉さんも教え方が上手くてやっぱり同じ血が通ってるなと思った。



それでもういい時間だから帰ることになったのだ。



「別に送らなくていいよ?」
「いや、俺が心配だから。」



相変わらず心配性なのか、まだ外は暗くないというのに送ってくれると言い一緒に家を出た。



駅へと向かって歩きながら、いつものように他愛のない話をする。



それから電車に一駅分乗って降り、私の家へと向かう。



「もうだいぶ暑くなってきたね。」
「梅雨入りしたらもっと暑くなるんだろうな。」



颯汰はいつも通りのつもりなんだろうか。
私から見たら颯汰がいつもと違う。



電車に乗ってる時もぼーっとしていた。