「お姉ちゃん、いたんだね。」



「ああ、意外だった?
兄貴もいるから俺、一番下。」



「一番下なの?
………あー、でもなんとなくわかる。」



「なんだよそれ。」



颯汰は私の言葉に対し笑った。



だけどその笑い方は今までで見たことがないほど乾いていた。



まるで無理矢理笑顔を作っているかのようで、違和感を感じた。



「せっかく来たんだし勉強やろう。
できてあと一時間ぐらいだろうし。」



「あ、うん……」



私が聞こうとする前に勉強するよう促されたから結局何も聞けない。



やっぱり何かあると
この時ほぼ確信に近いと思った。



だけどこの感じじゃお姉さんとはうまくいってるみたいだし……



何があるのだろう、颯汰に。
颯汰は何を抱えているのだろう。



そのモヤモヤした感情をかき消すかのように、私は勉強を始めた。