「じゃあ俺は優梨のヒーロー的存在なのか。」
私の言葉を聞いて、すぐ調子のいいことを言う颯汰。
「そんなわけないでしょ。」
って口では言うけど、確かに颯汰はヒーローのような人なのかもしれない。
本人の前では認めないけど。
「でも二人テスト期間だったのね。
邪魔して悪かったわ。
てことで私は寝とくから二人勉強頑張って!」
「はぁ?
姉ちゃんは寝に来たのかよ。」
「お話しようと思ったの!
でもせっかくの二人の時間を邪魔したらダメでしょ?」
お姉さんはそう言って、本当にシングルベッドに潜り込んだ。
さっきまで話していたのが嘘かのように、急に静かになるお姉さん。
本気で寝るのだろう。
「……なんか、ごめん。」
「あ、全然大丈夫。」
急に静かになったものだから、なんだか変な感じ。



