颯汰は「誰だろう」と言いながら立ち上がり、モニターを確認するとため息をついた。
だ、誰だろう……?
それから面倒くさそうにして、玄関に向かう。
恐る恐る部屋から覗くと………
ガチャッとドアの鍵を開けるなり、勢いよくドアが開いて一人の女の人が颯汰に抱きついた。
「颯汰〜!!」
「うわっ……!」
颯汰も驚いているようでバランスを崩していた。
も、もしかして彼女……!?
私ここにいて大丈夫なのかな?
なんて思うけど、彼女かもしれないと考えたらなぜか胸が苦しくなる。
「何の用だよ。」
「可愛い弟に会いに来たのー!」
弟ってことは、まさかのお姉さん!?
颯汰にお姉さんがいたんだ。
てっきり一人っ子だと………
って今思えば私、全然颯汰のこと知らないかもしれない。
いつもしょうもない話か、私のことばっかりだったから。



