「じゃあちゃんと行きたい理由とか話さないといけない、のか……」
「だな。
ちゃんと資料とかも見せながら話したら、より理解してくれるだろうし。」
「そっか……そうだよね。
じゃあもっとその大学について詳しく調べてみる。」
「すぐ親に反対されたからって諦めたらダメだからな?」
「うん。ありがとう。
なんだか颯汰に助けられてばっかだな。」
颯汰のおかげで前よりも変われた気がするんだ。
今までよりも前向きに考えることができるようになった。
「それでいいんだよ。
俺が優梨に変わってほしいって思ったから。」
でも、なんでそこまでするんだろう。
ふと思い出した
『優梨はまだ間に合う』と言っていたあの言葉。
「ねぇ、颯汰………」
そのことを聞こうとしたその時。
私の言葉を遮るようにしてインターフォンが鳴った。



