颯汰が来るなり二人はすぐ私から離れてしまった。



なんか二人ともニヤニヤしてるのは気のせい?



もう涙はだいぶおさまってきたから振り向くけど、多分ひどい顔してるだろうな私。



颯汰と目が合う。
颯汰は私を見て優しく微笑んだ。



「お疲れ。
ちゃんと俺が教えたことできてたな。」



「だってせっかく教えてくれたからね。」



遠足以降にも一回、颯汰とバスケをした。
その時にだいたい教えられたことは覚えたのだ。



今日の試合に活かせたと思う。



「今日の優梨はかっこよかったぞ。
それにしても楽しそうにバスケしてたな。


勝ちたいって気持ちも伝わってきた。」



勝ちたい……前までの私じゃ勝ちたい気持ちさえもなかったことが思い出される。



でも今日の私は違った。
心から勝ちたいって、思ったんだ。