「優梨ちゃん!」
いつのまにか一階に降りていたみんながやってきた。
「優梨ちゃんすごくかっこよかった!
お疲れ様……!」
そう言ったのは沙良ちゃんで、汗をかいてるというのに構わず私を抱きしめる。
その言葉が、行動が嬉しくて
我慢していた涙が溢れだす。
今日の私よく泣くな……。
だけど仕方ない。
だって負けて嬉しいわけがない。
むしろ真逆の気持ちだ。
勝ちたかったよ、もっと上に行きたかった。
でも相手が私たちより強かった。
「みんなすごかったね……!
優梨ちゃん、その中ですごく輝いてたよ?」
「ありがとう……」
「沙良ばっかずるい!
私も優梨ちゃん抱きしめるんだー!」
静ちゃんにも抱きしめられ、すごいことになってしまう。
今の状況、結構恥ずかしいんじゃ……
「なに、優梨泣いてんの?」
その時、耳に届いたのは
優しくて明るい颯汰の声。



