それから数十分経ったけど、なかなか来ない。



あと10分くらいしたら試合が終わって私たちのウォーミングアップの時間がやって来る。



嫌な予感がした。



そういえば颯汰も来ると言いながら来てないな………なんて思いつつ不安は増すばかり。



もしかして、来ないんじゃないかって。



他の子の親や友達はもう来てる。
来てないのは私のとこだけ。



それがなんだか悲しくなって、さっきの緊張とは別に苦しくなってきた。



試合前になに落ち込んでんの私。



諦めろ。
仕方ない、何かあったのだろう。



行くと言ってくれただけでも成果なのだ。



だけど願わくば………



応援に来てほしかった。
頑張ってって、一言でもいいからほしかった。



でもそんなのわがままだよね。



大丈夫。
こんなの慣れてるから、私は試合に集中すれば………




「優梨……!!」




その時、誰かが私の名前を呼んだ。
あまりにも大きい声に驚きつつ、すぐに見つけられた。