正直、無理と言われるかもしれないと思ってた。



だからもし、中学の時も観に来てほしいと言ったら来てくれてたのだろうか。



『直接会って良くやったなって言ってやりたい。
でも今からじゃできないからなぁ』



「何それ……もうこうして電話で話してくれてるだけで十分だよ。



本当にありがとう。」



颯汰がいなかったら、今も全てに対して諦めていて



一人で勝手に苦しんで、嫌な思いで引退していたかもしれない。



こうやって前に進めたのも、颯汰がいるからで



本当に感謝しかなかった。





逃げてばっかじゃ前に進めない。



苦しい状況から脱出するためには、その苦しいことと向き合うことだって初めて思えた日になった。