その後自分の部屋へと向かう。



その理由は一つ。
颯汰に連絡するため。



最初はメッセージにしようと思ったけど、やっぱり直接言いたくて電話にした。



数回のコールの後、颯汰は電話に出た。



『もしもし、優梨?』
「うん、そうだよ……!』



私の声が明るかったから颯汰に伝わったようで、電話越しに颯汰が小さく笑ったような気がした。



『その様子じゃいけたみたいだな。』
「うん……ちゃんと言えたよ、行くって言ってくれたよ。」



『ほら、行くって言ってくれた時点で親は優梨のこと大切に思ってくれてるんだよ。


それなのに居場所がないなんて、どうでもいいなんてもう言うなよ?』



「う、ん………」



返事するのがやっとで。
なぜなら涙が邪魔をするから。



『なに、泣いてるんだよ。
電話越しでも泣いてるの聞こえてる。』



「ご、ごめ……」



本当に嬉しさと、安心感がこみ上げてきて
涙が勝手に溢れてきたのだ。