確かに怖かったのかもしれない。
自分の気持ちを伝えてしまうことで、壊れるかもしれないと思うと。
家族の本音を聞いたら、もっと傷つくんじゃないかなって思ったら。
だから変わろうとしなかった。
バスケでも、こんな私一人が“引退まであと少しなんだからちゃんとやろう”って言ったらチームの仲が崩れるんじゃないかって。
自分一人はりきって、空回りするかもしれなくて。
全部、全部颯汰の言う通りだ。
どうでもいいんじゃなくて、逃げて、自分自身とも向き合わなかった。
結局は自分を変える勇気がなくて、“どうぇもいい”は自分にとって都合のいい“逃げ道”だったんだ。
それが、余計自分を苦しめているとは知らずに……。



