ーーー楽しい時間はあっという間に過ぎていく。



そして現地解散し、自然と颯汰と帰ることになった私。



「楽しかっただろ?」



席に座れるくらい空いている電車に揺られながら、颯汰が私に聞いてきた。



うん、楽しかった。
まだ帰りたくないなんて思ったのはいつぶりだろう。



中学の頃で忘れていた感情がまた思い出される。



「楽しかったよ、すごく。」



私がそう言えば、颯汰は嬉しそうに笑った。



それから沈黙が流れる。
だけど息苦しくはない。



穏やかな時間が二人の間に流れ、心地よいとさえ思ってしまうから不思議だ。