「本当、優しいのか自分勝手なのかわからないよね。


強引な優しさっていうの?」



「素直じゃないなぁ。
それ一応褒め言葉、だよな?」



「うん、そう。
つまり……ありがとう。」



お礼を言うのに抵抗はなかった。



颯汰の何気ない優しさで心が温かくなったから。



少し強引な部分もあるけど……結局それも颯汰の優しさなのだ。



それを今日気づいた。



「俺が勝手に送りたいだけだから。
じゃ、行こう。」



颯汰は私に笑いかけた後、歩き出した。



行きに通った道を帰りも通る。
今日は気分がいいのかな、やっぱり身体が軽い。



同時に少し寂しいな、なんて思ってしまう。



まだバスケしたいなぁって。
なんだ、私まだバスケ好きじゃん。



それを颯汰が気づかせてくれたんだよね。