そして一度颯汰の家に戻った後、私は帰ろうと家を出たのだけど………



「なんであんた………颯汰まで出ようとするの?」



颯汰も一緒に家を出てきたから驚いた。
何か用事でもあるのかな?



「なんでって、送るよ。
俺が家まで来させたわけだし。」



予想外の返答といい、颯汰の律儀さといい、優しさといい笑わずにはいられなかった。



なんか、私は颯汰という人柄を勝手に決めつけていたみたい。



誰とでも仲良くしたい、偽善者だなんて。



あの時の自分に言ってやりたい。
颯汰はただ単に優しい人間なのだと。



「ありがとう。
でもいいよ。」



「よくない。
ていうかもう外出たから送る。」



私がいいと言っても颯汰は強引で、聞こうとしない。