なんかもう何を言ってもダメな気がしたから、私は
「わかった。」と答えると彼は嬉しそうに笑った。
「決まりな。
じゃあ今からどうする?
まだやる?」
「……やる。」
こんなにも“まだバスケがしたい”と思ったのは久しぶりだった。
懐かしいこの気持ち。
楽しくて、ずっとやっていたくて
試合に勝ちたくていつだって本気だった。
いつのまに全部“どうでもいい”と思うようになったんだろう。
彼と私で一対一をすることになった。
もちろん彼の方が上なわけだけど………彼自身も久しぶりだから何回かシュートをミスするわけで。
三回連続シュートをミスした彼を見た時、私は思わず笑ってしまった。
「……あははっ、颯汰って上手いのか下手なのかこれじゃわからないね……!」
この時、初めて彼のことを名前で呼んだ。



