結月side

耳元で何かがけたたましく鳴り響いている。
私を焦らせるような、早くしろと言っているような......
「いけない! もうこんな時間!? 入学式遅れちゃう!」
鳴り響いていた音の正体は、私が5つセットしている大音量の目覚まし時計。朝起きるのが大の苦手な私は、大事な行事などがある日は必ず目覚まし時計を5つセットしているのだ。
それなのに寝坊するなんて……
「もう! 本当についてない」
独り言をつぶやきながら、急いで制服に着替えて家を飛び出した。