「ありがとうございました!」
「「「ありがとうございました!!」」」
俺の号令に続けて、部員の大半は泣きながら最後の挨拶をする。
俺たち3年生にとって最後の舞台だった文化祭のステージが幕を降りた。
3年生はもちろん、2年生や1年生も大粒の涙を流していた。
パチン、と音を立てて照明が落とされると、観客席からもすすり泣く声が聞こえる。
良い演奏を届けることができたんだ、と前向きに考えたって、今日は許されるだろう。
放送委員が、観客へのお礼や出口の案内などを伝えているあいだに、吹奏楽部は手っ取り早く退場していく。
……もう、終わったんだ。
3年間、1度も休ますに頑張ってきた部活が、終わったんだ。
なんだか、3年間がとても早く過ぎ去っていったような気がする。