そして、夜。

 いつも以上にスマホが気になりすぎて、ずっとスマホとにらめっこしている状態だ。

 ご飯も食べたしお風呂も上がった。

 勉強もしたし、あとは先輩の返事を待つだけ。

 だいたい先輩が連絡をしてくるのは、21時以降。

 先輩は推薦で高校はもう決まってるから、今すぐに勉強をする必要は無いはずだ。

 今は20時58分。

 あと、2分。

 あと2分で、決着がつく。

 これほど時間が早く進んでほしいと思ったことは無い。

 先輩、早く返事が欲しいです……。

 そして、運命の21時。

 スマホの画面が突然光り、着信だと言うことに気がつくのにあまり時間はかからなかった。

 電話をかけてきた相手は……玄蔵先輩だった。

 急いでスマホを取り、画面をタップする。


「もしもし、玄蔵先輩?」

『あー、優衣ちゃん?今時間ある?』

「全然大丈夫です」

『なら良かった。あの、返事なんやけどね』

「………はい」

『………俺も、好きなんよ』

………やっぱり、その返事。

それは、後輩としての好きなんでしょう?


『後輩としてじゃなくて、普通の女の子として、な?』