玄蔵先輩がいつも言ってたことを拝借する。
玄蔵先輩は少しだけ照れると、ちゃんと声に出して言ってくれた。
「優衣ちゃん、かっこいいよ。ソロ、ばっちりやったね」
私はえへへ、と笑顔になる。
………あとは、告白するだけだ。
少しだけ深呼吸をして、玄蔵先輩を見つめる。
「玄蔵先輩」
「ん？どうしたん？」
「玄蔵先輩……好きです」
私は少しだけ俯く。
分かってるから。
どれだけ期待しても、自分の望んだ返事なんて来ないことを。
でも、先輩が発したのはいつもと違う言葉だった。
「……返事、少しだけ待っててもらえる？」
「え？」
「今日中には必ず返すから。少しだけ、待ってて？」
「………はい」
