「真衣先輩、メッセージ書いてください!」

「紀夜ちゃん。もちろん!」


 真衣先輩に譜面を大量に入れている自分専用のファイルを渡す。

 文化祭の日、このファイルにメッセージを書くのが伝統になっている。

 3年生は、自分のパートの後輩とほかの仲のいい後輩に。

 2年生や1年生は、自分のパートの先輩と、他にお世話になった先輩に。

 手紙には書ききれない想いをファイルにメッセージとして残すのだ。

 いつでも見返せるように。

 心細くなった時に、前を向けるように。