そもそも、眼鏡取ったくらいで可愛くなるなんて、んなバカな……



あ!



思い出した!



あれ、高木くんだったの?



誰だったかは今日まで謎だった。



入学式当日、集合場所に遅れた私は慌てて走ってて、曲がり角で誰かと正面衝突した。
眼鏡が吹き飛び、全然見えない状態で私は何度も頭を下げて謝った。



すると見えない誰かは私の頭に手をぽんと置き、優しく撫でてくれた。柔らかい仕草に、私はほっとした。すると、私の手を握り、拾ってくれたらしい眼鏡を渡してくれた。



眼鏡を掛けたらその誰かはいなくなっていた。