「浅木〜。」
「なに〜?」
「ここどう吹いたら感情が伝わりやすいと思う?」
「あー。ここね。ここは…。」


「こういうふうに吹いたらいいと思うな。あとここは悲しい感じのとこだから自分の中の感情も悲しい感情にするといいと思う。」
「なるほどな。サンキュー。」

私、浅木音葉はここ吹奏楽の名門私立大崎高校に通っている。科はもちろん音楽科だ。