イロが見えない代わりに、その人の体調や感情を「その人のイロ」として、見えるようになった。 イロのない人なんていない。 イロが見えない人をこれまでに見た事がなかった。 だから、今、この目の前にいる、 固有のイロではなくドス黒いナニカを取り巻いている新しいクラスメイトであろう男を見て私は困惑していた。