表だって何かをするという訳では
ないけれど、それでも、至は
僕の心を理解しようとしてくれる。

颯「初めから期待なんてしてないよ。」

至「はぁ。だからお前は...。
金に困ったらいつでも言えよ。
貸してやる事くらいは出来るからさ。」

颯「ありがとう。でも僕も
バカじゃないから、生活に
困らない程度にしか渡してないよ。」

至は、心底呆れていた。

至「今日の昼、久しぶりに
飯でも食いに行くか?
毎日パンばかりじゃ飽きるだろ。」

そう言いながら笑う至の笑顔は
いつも僕のこのどんよりとした
暗い気持ちを和らげてくれる。
だから、僕はほんの少しだけ
至の事が好きなのかもしれない。