トウコ、しょぼくれてないでさ。
今日は、ヨシタカ君と飲みに行きましょねー。


…いきませんけど?


なんでよー。こういう時は気分転換だってば。
みんなも誘ってさ。

一人で帰ったって、メソメソしてるだけだろ?

ね?皆さんどう?

側にいた同僚たちは、あたしの反応を
見ながら、黙って様子を見ていた。

いーきーまーせんってば!
何が悲しくて、あんたの顔見て気分転換
しなきゃなんないのよ。

またまた、トウコちゃんたら。
こんな能天気な顔でも見てないと、
元気でないよ?


…ほんとーに、能天気だよね…。

ニコニコしてる笑顔に、イライラしてるのに。

ちっとも引こうとしない。

こんな…会社の中でいつまでも
にらみあってるのに疲れて。

わかった…。行けばいいんでしょ。
ヨシタカ、おごりなさいよ!!

お!やった。
オッケーオッケー。
トウコの分は俺が出すよ。
美味しいもん食おうぜ。

そう言うと…
そそくさと外回りに出かけていった。


残された同僚が、トウコいいの?と、
遠慮がちに聞いたけど…

もう、バカバカしくなったよ。
お言葉に甘えて…たーっぷりおごって
もらう!

そう言うあたしに、少しほっとしたように
する同僚たち。

そうだね。いつもの居酒屋はやめて、
ちょっといいとこ行こうよ。
予約しとくね。と、散って行った。



ふぅ…。
ほんと、バカ。
ヨシタカのバカ!


あたしも…バカ。