「なあなあ、この機械ぜってぇ壊れてるよなぁ?」



「知らねえよ。お前がやり始めたんだろ」



ある日の放課後、珍しく俺らはいつもは行かないゲーセンにいた。



「そんな冷たいこと言うなよー
俺ら親友だろ?」



そうやってふざけた顔で言ってくるやつは俺の幼馴染、橋本 悠真だ。



「その顔腹立つんだよ」



「え、あれ橋本くんじゃない⁉︎」

「ほんとだ!ヤバっ!超カッコいいんだけど‼︎」

「放課後に会えるとか、超ラッキーじゃね⁉︎」



そんなふざけたあいつでも一応顔はモデル並みに良いからモテる。

透き通った肌、綺麗な筋の通った鼻、キリッとした二重の目、血色の良い薄い唇。




「何だよ、洸太
変な顔して」


「はぁー。お前ほんと自覚ないよな。もうちょっと意識した「きゃっ」



すぐ隣で、幼馴染の結衣がこけそうになっていた



すると、悠真がサッと抱きかかえた


「ったく。 大丈夫かよ?
お前はほんと危なっかしいな」



そんなこと言いながらも優しい顔をしてる。そんなところもモテるんだろう。



「ありがとう、悠真くん。
いつもゴメンね。」



「結衣はいつも危機感が無さすぎるんだよ。もうちょっと周り見ろよな」



「洸太、もうちょっと優しくしてやれよ。結衣もわざとじゃないんだから」



ズキンと胸が痛む。

いつものことだけど、傷つく。

でもしょうがない。
あいつは俺の気持ちなんてこれっぽっちも気づいてないんだから。

「そろそろ帰るか」

「だなー」

「だね」



これが俺らの日常。

たまに悠真がうざい時もあったけど、友達としてでも隣にいたかった俺はこの日々に満足していた。

あの日までは