翼の折れた鳥たちは

「なんでも聞くよ、俺」

肩甲骨周囲の筋力トレーニングをダンベルを使いながら行っている敦也くんの隣に腰を下ろしていた私に、太陽みたいに眩しい笑顔を見せる。

あぁ、この笑顔で見つめられたらなんでも話してしまいそうだ。

って、悩みの原因を作っている張本人はあなたですよ、敦也くん。

そんなことを思いながらも何か言わないと余計なことを勘繰られそうだという考えが思い浮かんでくる。

「1つだけ聞いていい?どうして、目標達成したら呼び方変えるなんて言い始めたの?」


「あぁ、思いつき」

えっ!?思いつきって……。

私、敦也くんの思いつきのせいでこんなに頭悩まされているの。

「なんて、嘘」

困った表情を浮かべた私の反応に満足したのか敦也くんは苦笑いしながら、教えてくれた。