「じゃあ、明日から10時にリハビリ室に自分で行くから迎えに来なくていいよ」

「はっ?」

「もし、10時になってもリハビリ室に俺が来なかったら様子を見に来て」

こ、この人、段々元気になってきているのは嬉しいけど、なんでこんなに振り回されないといけないんだろう。

こんなこと勝手に約束したら、看護師長にも部長にだって何言われるか分からないじゃない。


若干の眩暈すら覚えながら、覗き込まれたキラキラとした眩しすぎる程の瞳を見つめ返す。

「ダメかな……?」

困った表情を浮かべていることに気が付いたのだろう、急に声のテンションを下げて尋ねる榎田さんがやけに小さく見える。