「じゃあ、俺は向こうで囲碁するから」
太田さんはそれだけを言い残すと、とてもスムーズに車いすを漕いで、一ノ瀬さんの下へと帰っていった。
穏やかな夕焼けがテラスをオレンジ色に染め始める。
確かに、太田さんが言うようにカウンターの前に座らされてぼんやり過ごすことよりもこのテラスで過ごす方がいい。
太田さんと一ノ瀬さんの所まで漕いでみよう。
テラスの真ん中にたった一人取り残された形の俺は、ゆっくりゆっくり車いすを漕ぎ始めた。
たった7m程度の距離。2人の会話だってなんとなく聞こえてくるほどの距離。
だけど、今の俺にとってはその7mが果てしなく遠い気がしていた。
太田さんはそれだけを言い残すと、とてもスムーズに車いすを漕いで、一ノ瀬さんの下へと帰っていった。
穏やかな夕焼けがテラスをオレンジ色に染め始める。
確かに、太田さんが言うようにカウンターの前に座らされてぼんやり過ごすことよりもこのテラスで過ごす方がいい。
太田さんと一ノ瀬さんの所まで漕いでみよう。
テラスの真ん中にたった一人取り残された形の俺は、ゆっくりゆっくり車いすを漕ぎ始めた。
たった7m程度の距離。2人の会話だってなんとなく聞こえてくるほどの距離。
だけど、今の俺にとってはその7mが果てしなく遠い気がしていた。

