見舞いが3日に1度になった両親から先週聞かされたのは、学校に退学届けを提出したことだった。


あぁ、やっぱりな。


いつかこうなることなんて分かっていた。

涙すら出なかった。
泣いても何も変わらないけれど。


それから、退学届けを提出に学校に行ったら、貰ったと言って千羽鶴を持ってきた。

あいつら、実習で忙しいだろうに。

千羽鶴に書いてあるメッセージが目に入ってきたけれど、今の自分にはその文字の羅列の意味を受け入れることが出来ずに、その無駄にカラフルな千羽鶴から目を背けた。


『頑張れ』 

今の俺には、そんな言葉見たくもなかった。

「友達の面会、断ってるから」

親父が俺の気持ちを汲み取ったようにして穏やかな声で伝えてくれた。

両親以外の面接は断るって受付に伝えてあるらしい。

「うん」

親父の言葉は正直、ありがたかった。