「敦也くん、これからどうするんだい?車いすバスケ始めるんだろ?」

部長が尋ねると、敦也くんは思わず顔を綻ばせ真っ白な歯を見せて笑いながら大きく頷く。


「ハイ、バスケで青春、やり直そうと思います。もう一回ゼロからのスタートです」

「そっか、それなら三嶋くんにも伝えておくよ。バリバリ鍛えてやってくれってな」


「ひでぇ」

部長の言葉に頬を膨らましながら、敦也くんが言うものだから、くすくすと笑いが起こる。


「俺、ここの病院に入院出来て良かったです。怪我した頃はこれから先、死ぬことに向かって淡々と時間を過ぎていくんだろうって思っていた。だけどここで俺、やりたいこと、夢が見つかったんだ」

敦也くんの表情が明るい。