翼の折れた鳥たちは

♪翼の折れた鳥たちは 声を潜めて泣きながら
  いつか飛べると  高い空を見てもがいてる
  翼の折れた鳥たちは 闇で孤独を感じても
  光を探して 前に前に 歩いてく
  飛べなくったって 
  決して 諦めない気持ちで



敦也くん、届いてる?

敦也くんの前で歌うと、きっと涙で歌は届かないと思ったから、私は屋上でいつものように歌った。


唄い終えた時、テラスの方から拍手の音が聞こえてきたのが分かった。

「葵ちゃん、最高!!」

大きな声で階下から聞こえてきたその声は、震えていた。

私はその場にヘナヘナと座り込んだ。

暖かな涙が私の頬を伝わって零れ落ちたのだった。