翼の折れた鳥たちは


退院祝いを敦也くんと約束してからずっと家に帰ると曲作りに熱中した。


敦也くんとの出会いから今日までを思い返しながら、伝えたいことを歌詞に入れ込んだ。


こんなに曲作りに真剣に取り組んだことも、誰かのために強い気持ちで歌詞を書いたことだって思い返してみれば初めてだった。

今までどれだけ自分が中途半端な気持ちで歌にも曲作りにも向かい合っていたってことを思い知らされた気がした。


ようやく曲が完成したのは、一昨日の夜。

あれから私の曲作りの進捗状況なんて一言も聞いてこない敦也くんに、完成したことを伝えたかったけれど、そっと胸にしまい込んだ。

『なんかいいことあった?』 

昨日のリハビリの時、敦也くんがそう私に尋ねたから、きっと顔には出ていてバレバレだったんだろうけど。