翼の折れた鳥たちは


敦也くんの優しさで私の胸がいっぱいになる。

鼻の奥がツンとする。

「でっ、でもね、敦也くん!!」

涙が零れそうになるのをグッと堪えるように、両手を力いっぱいに握りしめる。


「敦也くんと出会って私変わったの」

「えっ?」

今度は敦也くんが驚いた表情を浮かべる番みたいだ。

「敦也くんと一緒にリハビリして、敦也くんの頑張る姿を担当の理学療法士として隣で見守った。そしたら、理学療法士って素敵な仕事だなって。楽しいなって思えるようになった。それに、もっと自分のスキルを磨いて、担当している患者さんを効果的に治療したいって思った」

敦也くんの瞳が一瞬揺らぐ。

「……私を変えてくれたのは敦也くんだよ」

敦也くんが息を呑んだのが分かった。