翼の折れた鳥たちは



「敦也くんっ!!」

敦也くんが振り向いたら、敦也くんの後ろにオレンジ色の夕焼けが見えて、敦也くんに光がさしているように見える。


「私の方こそ、ありがと」

「お礼なんてまだ早い、なんじゃなかった?」

意地悪な笑顔を携えて、敦也くんがさっきの私のセリフを繰り返す。

「私はいいの」

「なんだよ、それ」

私が頬を膨らましながら言った言葉に、敦也くんが噴き出す。

せっかく真面目にお礼を言おうとしているのに、なんだか調子が狂う。

だけど、今伝えなきゃ、きっと後悔する。


そう思った私は、敦也くんに近づいて敦也くんと向かいあった。

私の改まった様子に敦也くんが不思議そうな表情で私を見つめる。