「すごい……」

思わず感嘆の溜め息を漏らして車いすバスケの選手のプレーに見入っていたら、汗だくになったプレー中の三嶋さんが私に気が付いた。

コートを抜け出し三嶋さんが颯爽と額に汗を浮かべて爽やかな笑顔を浮かべて近寄ってくる。


「星原さん、見に来てくれたんですね」

「えっ、えぇ。気になって」

こっそりと見学する予定が、早速三嶋さんに気が付かれてしまいしどろもどろに返事をすると三嶋さんが可笑しそうに微笑む。


「榎田君、あっちで見学してますよ。呼んできましょうか?」

「いっ、いえ。私はここで」

三嶋さんの気遣いを丁寧に断りながらも、敦也くんたちが見学している方に視線をやる。