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「カンファレンス終わりま……」
「お疲れ様、葵ちゃん」
お昼下がりの時間に担当の患者さんのカンファレンスを終えて、リハビリ室に戻るとマットで自主トレの手を止めて、ヒラヒラと笑顔で手を振る敦也くんの姿が視界に入る。
遠くからでも分かるほどに、彼のグレーのTシャツは汗でところどころ色が変わっている。
「何やってるの?」
この数日、昼下がりの人の少ない時間帯にリハビリ室で黙々と自主練していることは知っていたけど、実際に遭遇するのは初めてで驚いて、敦也くんに近寄る。
彼の額には大粒の汗が光っている。
「自主練」
そう言って白い歯を見せて、爽やかに笑った敦也くんの隣にはプッシュアップスタンドが置かれている。

